ハンダの性質
ハンダは鉛や錫が主成分の合金で、融点が低く電気を通す性質を持つことから金属同士の接合や電子部品とプリント基板を固定するために使われます。ハンダには品質期限があり、期限切れのハンダは本来の性能を十分に発揮できなくなるため廃棄せざるを得ません。
成分割合の違いで大きく鉛含有ハンダ・鉛フリーはんだに分けられます。鉛含有ハンダは融点が低い、液相から固相に瞬時に変化するなどの特徴から初心者でもハンダ付けがしやすいと言われています。ただし、鉛が人体や環境に有害なことから鉛の含有がない鉛フリーはんだの使用が増加しています。
鉛含有ハンダ
JISの規定:3合金系19種類
- Sn-Pb系
- Sn95Pb5、Sn63Pb37、Sn60Pb40、Pb50Sn50、Pb55Sn45、Pb60Sn40、Pb65Sn35、Pb70Sn30、Pb80Sn20、Pb90Sn10、Pb95Sn5
- Sn-Pb-Bi系
- Sn57Pb40Bi3、Sn46Pb46Bi8、Sn43Pb43Bi14
- Sn-Pb-Ag系
- Sn62Pb36Ag2、Pb97.5Ag1.5Sn1
鉛フリーはんだ
高温系 – 固相線温度217℃以上かつ液相線温度225℃以上 – | |
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Sn-Sb系 | Sn95Sb5 |
Sn-Cu系 | Sn97Cu3、Sn99.3Cu0.7 |
Sn-Cu-Ag系 | Su92Cu6Ag2、Sn95Cu4Ag1、Sn99Cu0.7Ag0.3 |
Sn-Ag系 | Sn95Ag5 |
中高温系 – 固相線温度217℃以上かつ液相線温度225℃未満 – | |
Sn-Ag系 | Sn97Ag3、Sn96.3Ag3.7、Sn96.5Ag3.5 |
Sn-Ag-Cu系 | Sn96.5Ag3Cu0.5、Sn95.5Ag4Cu0.5、Sn95.8Ag3.5Cu0.7、Sn95.5Ag3.8Cu0.7 |
中温系 – 固相線温度150℃以上217℃未満かつ液相線温度200℃以上 – | |
Sn-Ag-Bi-Cu系 | Sn96Ag2.5Bi1Cu0.5 |
Sn-In-Ag-Bi系 | Sn92In4Ag3.5Bi0.5、Sn88In8Ag3.5Bi0.5 |
中低温系 – 固相線温度150℃以上かつ液相線温度200℃未満 – | |
Sn-Zn系 | Sn91Zn9 |
Sn-Zn-Bi系 | Sn89Zn8Bi3 |
低温系 – 固相線温度150℃未満 – | |
Sn-Bi系 | Bi58Sn42 |
Sn-In系 | In52Sn48 |
国際規格の規定:11合金系21種類 |
金系はんだ
ハンダの信頼性を求められる場合や金メッキ表面へのハンダ付けなどに使用されます。錫やゲルマニウムなどとの合金があります。