錫の性質
錫は柔らかく展延性を有する白銀色の金属です。 融点が232 °Cと低い特性を持つことからハンダとして利用されます。 錆びず適度な硬さがあり加工もしやすいため銀食器に次ぐ高級食器として中世から使用されていました。 透明性、耐候性も良く安定化効果に優れているため、塩ビ管の安定剤としても使用されています。
錫の用途
メッキとしての錫
ブリキ
ブリキは鉄に錫をメッキしたもので、錫が鉄よ りイオン化傾向が小さく溶け出しにくいことにより鉄を保護するという特性を利用したものです。昔のおもちゃや缶詰などに使用されていました。ブリキは鉄としてスクラップになりますので錫としての評価はありません。
錫引銅
電線に錫メッキされたものは錫引銅として評価されます。錫メッキのされたブスバーと呼ばれる銅の板もこれに当たります。
合金としての錫
ハンダ
ハンダは「錫と鉛」「錫、銀、銅」などの合金で種類や形は様々です。詳しくはハンダのページで紹介いたします。
砲金(青銅)
砲金(銅、錫)やリン青銅(銅、錫、リン)も錫が含まれる合金です。電子部品や伸銅品に使われるリードフレーム、水道メーターなどの水回りに使われています。これらは砲金をベースとしてのスクラップ評価になります。
酸化インジウム錫(ITO)
酸化インジウム錫 = ITO(透明電極)が使用されているディスプレイパネルやアモルファスシリコン太陽電池などに使用されています。ただし製品への使用量はごく僅かで回収する際のコスト面から、製造過程で発生するITOクズのリサイクルが主になります。